キッチン・浴室・トイレ・洗面所ごとの施工日数目安
水回りリフォームを検討する際、最も気になるポイントのひとつが「各設備の工期」です。工事期間は設備の種類や工法、設置状況によって異なりますが、一般的な目安を把握することで、生活への影響や計画が立てやすくなります。以下に、主な4設備についての平均工期と考慮すべき点を解説します。
キッチンは、システムキッチンの種類によって工期が大きく変わります。既存のキッチンと同じ位置での交換であれば、およそ3日から5日程度が目安です。しかし、配管や電気配線の位置変更が伴うレイアウト変更を行う場合は、7日以上かかることもあります。特に対面型やアイランド型への変更は、壁の解体や補強が必要となるため、工期も費用も増加します。
浴室のリフォームは、ユニットバスの交換が主流です。既存のユニットバスから新しいものへの入れ替えであれば、3日から5日が平均工期です。一方、在来工法で作られたタイル張りの浴室をユニットバスに変更する場合は、解体・配管工事・土間打ちが必要になり、1週間以上かかることも珍しくありません。湿気による下地の腐食が見つかると、さらに工程が増える可能性があります。
トイレのリフォームは比較的短期間で済む工事ですが、配管や床の状態によっては追加作業が必要です。便器の交換のみであれば半日から1日で完了しますが、内装の張り替えや手洗い器の設置、バリアフリー化を伴う場合は2日から3日を見込む必要があります。最新の節水型便器やタンクレストイレは設置に技術を要するため、事前に施工経験のある業者を選ぶと安心です。
洗面所のリフォームは、洗面化粧台の交換のみであれば1日以内に完了します。ただし、収納の増設や洗濯機パンの設置、壁紙や床材の張り替えも含めると2日から3日程度が目安です。収納力やデザイン性の高い3面鏡タイプや2ボウル式の設置を希望する場合は、配管の増設や補強が必要になり、さらに工期がかかる可能性があります。
水回り4点セットは?一括リフォームの流れ
水回り4点セットのリフォームでは、各設備の工事が順番または同時に行われます。
リフォーム業者によってスケジュール管理の方法が異なりますが、一般的には浴室から着工し、キッチン、トイレ、洗面所の順で進められることが多いです。理由としては、浴室は防水処理が必要なため日数がかかること、キッチンは生活インフラの要であることから、使えない期間を最小限にするよう考慮されるためです。
また、工期に影響を与える大きな要因として、以下のようなものがあります。
- 設備の在庫状況(受注生産品は納期が長い)
- 既存配管の老朽化や不具合
- 工事範囲の拡大(間取り変更・壁撤去)
- 天候や搬入の制限(特にマンションの場合)
こうしたリスクを最小限に抑えるためには、事前に詳細な現地調査を実施し、工事計画を緻密に立てることが重要です。
マンションと戸建てで工期はどれほど違う?
水回りリフォームにおいて、マンションと戸建てでは工期に差が出ることがあります。これは建物の構造や設備の配置、管理体制の違いによるもので、事前にそれぞれの特徴を理解しておくことがスムーズな工事につながります。
マンションは集合住宅であるため、工事に際しては管理組合への申請や近隣への配慮が求められます。また、工事可能な時間帯が厳しく制限されていることも多く、作業時間が限定される分、戸建てに比べて工期が延びる傾向にあります。特に、給排水設備が共用部分と接続されているため、変更が難しい構造となっており、設備の移動や間取り変更には制限があります。
一方で、戸建て住宅では工事の自由度が高く、配管の変更や間取りの調整も比較的容易です。その分、リフォームの幅が広がりますが、屋外作業が多いため天候の影響を受けやすく、雨天が続くと工期が伸びる可能性があります。また、築年数が古い戸建てでは、土台や下地の劣化が発見され、補修工事が追加されることもあります。
以下に、マンションと戸建ての水回りリフォーム工期の比較をまとめます。
項目
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マンション
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戸建て住宅
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工事可能時間帯
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管理規約で制限あり
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自由
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設備の移動自由度
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配管制限で制限されやすい
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比較的自由
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工事騒音対策
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隣接住戸への配慮が必要
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屋外に広がるため軽減可能
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配管・構造制約
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共用部分が多く制限あり
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柔軟な対応が可能
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天候の影響
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室内作業が中心で少ない
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屋外工事で影響を受けやすい
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リフォームを成功させるには、自宅の構造や制約条件を正しく把握し、それに応じたプランニングを行うことが重要です。マンションであれば管理規約を確認し、事前に工事申請や周知を行うことが必要ですし、戸建てであれば雨天対策や下地確認をしっかり行うことが求められます。
工期の違いだけでなく、生活への影響や調整事項の違いも視野に入れて、最適なタイミングとスケジュールで計画を立てることが、リフォームを円滑に進めるコツです。施工業者とよく相談しながら、現実的かつ無理のない工期設定を心がけましょう。